芙蓉底紅

東京村上鬼城研究会句会(井田サロン句会)記録

俳誌『櫻草』・五日会系の、勉強会・「鬼城の季語で詠む」句会です

誤字、表記違い等に気づかれましたら、お知らせください。

このページの末尾

    鬼城俳画2





第21回句会 (予定)

2020年6月26日(金)  於 :井田サロン
兼題:未定。春季・初夏雑詠。


コロナ禍で句会が開けないまま師走にはいりました。
どうぞお大事にお過ごしください。

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    鬼城色紙





第20回句会 (中止)

2020年4月17日(金)  於 :井田サロン

コロナウィルス感染拡大のため中 止します。

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    吉日のつゞいてうれし初暦



第19回句会

2020年2月28日(金)  於 :井田サロン
兼題:春の灯。初春しょしゅん・冬季・新年雑詠。

鬼城例句:思ひわづらふことあり 春の灯や掻きたつれどもまた暗し

会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。(次回以降一人ずつ繰り上げます)
印は特選に選ばれた作品です。特選以外は概ね清記順ですが、順不同、順位ではありません。
出句は3句、互選選句も3句です。


特選以外の互選句は確認中です。

<平岡智恵子 選>
足場とれ梅白々と咲き溢る 愛子

<井田博之 選>
春の灯にともづな解かぬ屋形船  三鬼堂

<松本愛子 選>
春の灯や塀の上行く猫の影 博之

<合田三鬼堂 選>
春の宵(あうら)冷たき猫膝に 愛子

……まとめ作業中……



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小春日や花より赤きかなめ垣




第18回句会

2019年12月20日(金) 1週間繰上げ開催  於 :井田サロン
兼題:冬の日。冬季・新年雑詠。
鬼城例句:冬の日のかつと明るき一ト間かな

会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。(次回以降一人ずつ繰り上げます)
印は特選に選ばれた作品です。特選以外は概ね清記順ですが、順不同、順位ではありません。
出句は3句、互選選句も3句です。

☆ お気づきの点がありましたらご連絡ください ☆

<福嶋蒐火 選>
冬の日に西口似合ふ托鉢僧 三鬼堂
赤い実を見つけて嬉し雪の道朱實
釣堀の翁が見ゆる日向ぼこ智恵子

<岩渕如雨 選>
初冬の阿蘇雲海の日の出かな 博之
冬の日に西口似合ふ托鉢僧三鬼堂
初しぐれ駆け込み寺の赤い櫛蒐火

<平岡智恵子 選>
十二月面影たどる喪の便り 愛子
初しぐれ駆け込み寺の赤い櫛蒐火
冬の日や微笑む風の生れけり如雨

<井田博之 選>
塔跡に谷中の猫と日向ぼこ 三鬼堂
石蕗(つは)の黄の色を奪ひて暮れにけり如雨( )
初しぐれ駆け込み寺の赤い櫛蒐火

<松本愛子 選>
選り迷ふ笊の酒杯や年忘 如雨
石蕗の黄の色を奪ひて暮れにけり如雨
柚子たわわ駅前通り止めにけり智恵子

<並河朱實 選>
石蕗の黄の色を奪ひて暮れにけり 如雨
初冬の阿蘇雲海の日の出かな博之
初しぐれ駆け込み寺の赤い櫛蒐火

<合田三鬼堂 選>
赤い実を見つけて嬉し雪の道 朱實
選り迷ふ笊の酒杯や年忘如雨
冬の日のバス待つ人を包みをり博之

<互選まとめ>
 <高点句>
4点 初しぐれ駆け込み寺の赤い櫛蒐火
3点 石蕗の黄の色を奪ひて暮れにけり 如雨
2点 冬の日に西口似合ふ托鉢僧 三鬼堂
2点 初冬の阿蘇雲海の日の出かな 博之
2点 赤い実を見つけて嬉し雪の道 朱實
2点 選り迷ふ笊の酒杯や年忘 如雨
  <他の特選句>
1点 塔跡に谷中の猫と日向ぼこ 三鬼堂
1点 十二月面影たどる喪の便り 愛子
  <他の主な互選句>
1点 釣堀の翁が見ゆる日向ぼこ智恵子
    ・他の1点句  3句


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)

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鬼城俳画6






第17回句会

2019年10月25日(金)  於 :井田サロン
兼題:(秋)出水、「大風・竜巻・大雨等災害」+秋季季語。秋季雑詠。
鬼城例句:<出水>して雲の流るゝ大河かな、<大風>や石をかゝへる赤蜻蛉(季語)
「出水」は歳時記では通常<夏季>分類ですが、「鬼城句集」では<秋季 地理>の部に掲載されています。

会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。(次回以降一人ずつ繰り上げます)
印は特選に選ばれた作品です。特選以外は概ね清記順ですが、順不同、順位ではありません。
出句は3句、互選選句も3句です。

☆ お気づきの点がありましたらご連絡ください ☆

<岩渕如雨 選>
大風の恵みの木の実拾ひけり 博之
出水あと河岸にならぶ負のオブジェ朱實
秋晴れや川辺に下りて句を拾ふ智恵子

<平岡智恵子 選>
岩風呂へ径の孤灯や糸芒 如雨
出水あと河岸にならぶ負のオブジェ朱實
柿旨し明日も喰うぞと樹を撫でん朱實


<井田博之 選>
秋出水退いて泥の田雲奔る 如雨
岩風呂へ径の孤灯や糸芒如雨
食欲をとめられぬまま秋深し朱實

<並河朱實 選>
容赦なく甚振(いたぶ)旋風(つむじ)末枯野(うらがれの) 如雨
岩風呂へ径の孤灯や糸芒如雨
秋出水退きて泥の田雲奔る如雨

<互選まとめ>
 <高点句>
3点 岩風呂へ径の孤灯や糸芒 如雨
2点 秋出水退いて泥の田雲奔る 如雨
2点 出水あと河岸にならぶ負のオブジェ朱實
  <他の特選句>
1点 容赦なく甚振(いたぶ)旋風(つむじ)末枯野(うらがれの) 如雨
1点 大風の恵みの木の実拾ひけり 博之
  <他の互選句>
1点 柿旨し明日も喰うぞと樹を撫でん朱實
1点 秋晴れや川辺に下りて句を拾ふ智恵子
1点 食欲をとめられぬまま秋深し 朱實


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)

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鬼城俳画3





第16回句会

2019年8月23日(金)  於 :井田サロン
兼題:今朝の秋。秋季雑詠。出句3句。
鬼城例句:今朝秋や見入る鏡に親の顏

会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。(次回以降一人ずつ繰り上げます)
印は特選に選ばれた作品です。特選以外は概ね清記順ですが、順不同、順位ではありません。
出句は3句、互選選句も3句です。


<平岡智恵子 選>
ばっさりと枝伐り詰めむ今朝の秋 博之
うすき翳みつめてをれば赤とんぼ愛子
秋雲や至上の涙準優勝如雨

<井田博之 選>
今朝秋のおりんの長き余韻かな 如雨
風なくも小花落ち初む今朝の秋如雨
うすき翳みつめてをれば赤とんぼ愛子

<松本愛子 選>
ばっさりと枝伐り詰めむ今朝の秋 博之
秋雲や至上の涙準優勝如雨
不作とやどっかと線状降水帯博之

<岩渕如雨 選>
うすき翳みつめてをれば赤とんぼ 愛子
涼しさや街目覚め行く小半時博之
原爆忌塗り替へられし平和像愛子



<互選まとめ>
 <高点句>
3点 うすき翳みつめてをれば赤とんぼ 愛子
2点 ばっさりと枝伐り詰めむ今朝の秋 ☆☆ 博之
2点 秋雲や至上の涙準優勝如雨
  <他の特選句>
1点 今朝秋のおりんの長き余韻かな 如雨
    ・他の1点句  4句

  <他の主な話題句>
   今朝の秋改札閉ざす羽虫かな 智恵子


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)

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鬼城俳画2





第15回句会

2019年6月28日(金)  於 :井田サロン
兼題:五月雨。当季雑詠含め出句3句。
鬼城例句:五月雨や起き上りたる根無草

会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。(次回以降一人ずつ繰り上げます)
印は特選に選ばれた作品です。特選以外は概ね清記順ですが、順不同、順位ではありません。
出句は3句、互選選句も3句です。

☆ お気づきの点がありましたらご連絡ください ☆

<井田博之 選>
老いし友尋ねゆく道夏の草  萬壽美
長梅雨や愛猫繁く顔洗ふ三鬼堂
梔子(くちなし)のセンチメンタル夜の道朱實(
)

<遠藤満壽美 選>
風一陣山里渡る麦の秋 博之
七変化埋もれて地蔵は藍の色愛子
五月雨や走り根ひかる寺の町愛子

<松本愛子 選>
長梅雨や愛猫繁く顔洗ふ 三鬼堂
長き貨車数へて居りぬ梅雨晴間智恵子
五月雨に赤い長靴初おろし萬壽美

<並河朱實 選>
天窓のやや明るみてさみだるる 博之
風一陣山里渡る麦の秋博之
お祭の囃子肴の蕎麦屋かな博之

<合田三鬼堂 選>
五月雨や走り根ひかる寺の町 愛子
長き貨車数へて居りぬ梅雨晴間智恵子
五月雨や岬のとだ灯台灯のかすむ蒐火

<福嶋蒐火 選>
天窓のやや明るみてさみだるる 博之
長き貨車数へて居りぬ梅雨晴間智恵子
禁じ手を諭し給ふや夏帽子智恵子

<岩渕如雨 選>
五月雨に沈む山里八ッ場(やんば)ダム 蒐火( )
長き貨車数へて居りぬ梅雨晴間智恵子
虎が雨洗ひ清めや永田町朱實

<平岡智恵子 選>
七変化埋もれて地蔵は藍の色 愛子
五月雨や餌ねだりゐる庭雀三鬼堂
馬鈴薯の花一直線畑道萬壽美

<互選まとめ>
 <高点句>
4点 長き貨車数へて居りぬ梅雨晴間智恵子
2点 天窓のやや明るみてさみだるる ☆☆博之
2点 五月雨や走り根ひかる寺の町  愛子
2点 風一陣山里渡る麦の秋 博之
2点 長梅雨や愛猫繁く顔洗ふ 三鬼堂
2点 七変化埋もれて地蔵は藍の色 愛子
  <他の特選句>
1点 老いし友尋ねゆく道夏の草 萬壽美
1点 五月雨に沈む山里八ッ場ダム 蒐火
  <他の主な互選句>
1点 梔子のセンチメンタル夜の道朱實
    ・他の1点句  7句


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)

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鬼城色紙





第14回句会

2019年4月26日(金)  於 :井田サロン
兼題:日永。春季雑詠。出句3句。遲き日の暮れて淋しや水明り

会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。(次回以降一人ずつ繰り上げます)
印は特選に選ばれた作品です。特選以外は概ね清記順ですが、順不同、順位ではありません。
出句は3句、互選選句も3句です。


<深谷柏葉 選>
手すさびに包丁を研ぐ日永かな 博之
ゆらゆらと水面の影や(にな)の道博之( )
青き目の浴衣の君に初夏の風朱實

<井田博之 選>
メトロ降り遅日の街の賑ひに 如雨
療養のつまの側なる長閑かな三鬼堂
紫陽花のありて明るき雨となり如雨

<並河朱實 選>
ゆらゆらと水面の影や蜷の道 博之
手すさびに包丁を研ぐ日永かな博之
池の面に鯉のひげ出す日永かな如雨

<合田三鬼堂 選>
縄張りの落花の道を猫が行く 博之
手すさびに包丁を研ぐ日永かな博之
飽きぬ児のブランコを押す日永かな柏葉

<岩渕如雨 選>
手すさびに包丁を研ぐ日永かな 博之
ゆらゆらと水面の影や蜷の道博之
療養のつまの側なる長閑かな三鬼堂


<互選まとめ>
 <高点句>
4点 手すさびに包丁を研ぐ日永かな ☆☆博之
3点 ゆらゆらと水面の影や蜷の道 博之
2点 療養のつまの側なる長閑かな三鬼堂
  <他の特選句>
1点 縄張りの落花の道を猫が行く 博之
1点 メトロ降り遅日の街の賑ひに 如雨
  <他の主な互選句>
1点 青き目の浴衣の君に初夏の風朱實
1点 飽きぬ児のブランコを押す日永かな柏葉
    ・他の1点句  2句


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)

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吉日のつゞいてうれし初暦




第13回句会

2019年2月22日(金)  於 :井田サロン
兼題:余寒(春寒)、節分、春の川、椿。当季雑詠。出句3句。春寒や掘出されたる蟇
 思ひ出して豆撒きにけり一軒家 山の日のきらきら落ちぬ春の川 雨の中に落ちて重なる椿かな

会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。(次回以降一人ずつ繰り上げます)
印は特選に選ばれた作品です。特選以外は概ね清記順ですが、順不同、順位ではありません。
出句は3句、互選選句も3句です。


<平岡智恵子 選>
藪椿蕾つまめば弾みけり 愛子
山合ひののたりとくねる春の川萬壽美
春寒やぬくぬく猫を抱き寄せて朱實

<深谷柏葉 選>
子ら覗く何かあるらし春の川 如雨
苔石に並べてありぬ落椿博之
(あしうら)に土の硬さや春寒し如雨( )

<井田博之 選>
子ら覗く何かあるらし春の川 如雨
轆轤(ろくろ)挽く手に土の香の余寒かな柏葉( )
両の手で銚子を包む余寒かな如雨

<遠藤満壽美 選>
轆轤(ろくろ)挽く手に土の香の余寒かな 柏葉( )
芽柳の流れに揺るる春の川柏葉
(あしうら)に土の硬さや春寒し如雨( )

<松本愛子 選>
子ら覗く何かあるらし春の川 如雨
春寒し四季咲く花は小さけり智恵子
両の手で銚子を包む余寒かな如雨

<並河朱實 選>
夕やみにふわりと浮かぶ白椿 萬壽美
苔石に並べてありぬ落椿博之
山合ひののたりとくねる春の川萬壽美

<合田三鬼堂 選>
障子開け小さな声の鬼は外 萬壽美
凩を背にバーゲンの長蛇かな博之
両の手で銚子を包む余寒かな如雨

<岩渕如雨 選>
苔石に並べてありぬ落椿 博之
障子開け小さな声の鬼は外萬壽美
春寒やぬくぬく猫を抱き寄せて朱實



<互選まとめ>
 <高点句>
3点 子ら覗く何かあるらし春の川 ☆☆☆如雨
3点 苔石に並べてありぬ落椿 博之
3点 両の手で銚子を包む余寒かな如雨
2点 障子開け小さな声の鬼は外 萬壽美
2点 轆轤挽く手に土の香の余寒かな 柏葉
2点 蹠に土の硬さや春寒し如雨
2点 山合ひののたりとくねる春の川萬壽美
2点 春寒やぬくぬく猫を抱き寄せて朱實
  <他の特選句>
1点 夕やみにふわりと浮かぶ白椿 萬壽美
1点 藪椿蕾つまめば弾みけり 愛子
  <他の主な互選句>
1点 春寒し四季咲く花は小さけり智恵子
    ・他の1点句  2句

  <他の主な話題句>
   雪の下流れに春の音を聞く三鬼堂
    この句の「季」はいつか。作者は北海道出身。

印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)

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小春日や花より赤きかなめ垣






第12回句会 

2018年12月7日(金)  於 :井田サロン
兼題:小春、初冬、帰花。当季雑詠。出句3句。 (小春日や石を噛み居る赤蜻蛉)
(蜂の巣のこはれて落ちぬ今朝の冬)(歸花咲いて虫飛ぶ靜かな)

会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。(次回以降一人ずつ繰り上げます)
印は特選に選ばれた作品です。特選以外は概ね清記順ですが順不同、順位ではありません。
出句は3句、互選選句も3句です。


<岩渕如雨 選>
初冬やゆふかげはやき小春かな  愛子
嫋やかに揺るる小枝や帰り花柏葉
白鷺の微動だにせず冬の朝柏葉

<平岡智恵子 選>
食卓の果実冷き今朝の冬 三鬼堂
猫の目の縦に細むる小春かな愛子
白鷺の微動だにせず冬の朝柏葉

<深谷柏葉 選>
予定なき今日のふくらむ小春風 如雨
枇杷の花気付かず過ぎる胸突坂朱實
猫の目の縦に細むる小春かな愛子

<井田博之 選>
猫の目の縦に細むる小春かな 愛子
初冬やゆふかげはやき街通る愛子
薄薄と花びら小さき帰り花愛子

<松本愛子 選>
短日や大江戸線の底に入る 智恵子
熱燗や本音のやうな語り口如雨
予定なき今日のふくらむ小春風如雨

<並河朱實 選>
日暮るるや命あかあか帰り花 如雨
初冬やゆふかげはやき街通る愛子
白鷺の微動だにせず冬の朝柏葉

<合田三鬼堂 選>
雨の色くすみて淋し冬初め 柏葉
猫の目の縦に細むる小春かな愛子
白鷺の微動だにせず冬の朝柏葉

<互選まとめ>
 <高点句>
4点 猫の目の縦に細むる小春かな 愛子
4点 白鷺の微動だにせず冬の朝柏葉
3点 初冬やゆふかげはやき街通る  愛子
2点 予定なき今日のふくらむ小春風 如雨
  <他の特選句>
1点 食卓の果実冷き今朝の冬 三鬼堂
1点 短日や大江戸線の底に入る 智恵子
1点 雨の色くすみて淋し冬初め 柏葉
1点 日暮るるや命あかあか帰り花 如雨
  <他の主な互選句>
1点 枇杷の花気付かず過ぎる胸突坂朱實
    ・他の1点句  3句

  <他の主な話題句>
   爺婆の寺町めぐる小春かな博之

印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)

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鬼城俳画6






第11回句会

2018年10月26日(金)  於 :井田サロン
兼題:秋の暮(秋の暮水のやうなる酒二合)1句。秋季雑詠2句。

会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。(次回以降一人ずつ繰り上げます)
印は特選に選ばれた作品です。特選以外は概ね清記順ですが、順不同、順位ではありません。
出句は3句、互選選句も3句です。


<合田三鬼堂 選>
窓の雨指でたどれば秋深し  朱實
星飛べば旅にいざなふ心付く愛子
薩摩路に酒蔵を訪ふ竹の秋博之

<福嶋蒐火 選>
窓の雨指でたどれば秋深し 朱實
薩摩路に酒蔵を訪ふ竹の秋博之
虫の音の小さくなりて初電発つ智恵子

<岩渕如雨 選>
戦なき国境線や鳥帰る  蒐火
虫の音の小さくなりて初電発つ智恵子
酒苦く手にジョーカーや秋の暮蒐火

<平岡智恵子 選>
剪りをれば香りほのかや菊の雨 如雨
木々すでにくつろぎの色秋の暮如雨
窓の雨指でたどれば秋深し朱實

<井田博之 選>
苦の坂を越えざる父や秋の暮 智恵子
秋の暮風に逸れゆく綿毛かな愛子
剪りをれば香りほのかや菊の雨如雨

<松本愛子 選>
戦なき国境線や鳥帰る 蒐火
窓の雨指でたどれば秋深し朱實
剪りをれば香りほのかや菊の雨如雨

<並河朱實 選>
鳥帰る仰ぎ仰ぎてよろめけり 愛子
秋の暮人吹溜る縄のれん博之
酒苦く手にジョーカーや秋の暮蒐火



<互選まとめ>
 <高点句>
4点 窓の雨指でたどれば秋深し ☆☆朱實
3点 剪りをれば香りほのかや菊の雨 如雨
2点 戦なき国境線や鳥帰る ☆☆ 蒐火
2点 虫の音の小さくなりて初電発つ智恵子
2点 薩摩路に酒蔵を訪ふ竹の秋博之
2点 酒苦く手にジョーカーや秋の暮蒐火
  <他の特選句>
1点 苦の坂を越えざる父や秋の暮 智恵子
1点 鳥帰る仰ぎ仰ぎてよろめけり 愛子
    ・他の1点句  4句

  <他の主な話題句>
   飲み屋へと急ぐ銀座の秋の暮三鬼堂
   気鋭時代の忙中閑。銀座にも「飲み屋」はいっぱいあるのです。

印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)

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鬼城俳画3





第10回句会

2018年8月24日(金)  於 :井田サロン
兼題:秋雨 (秋雨やよごれて歩く盲犬)1句。秋季雑詠2句。


会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。(次回以降一人ずつ繰り上げます)
印は特選に選ばれた作品です。特選以外は概ね清記順ですが、順不同、順位ではありません。
出句は3句、互選選句も3句です。


<並河朱實 選>
風力の発電塔倒す野分かな 三鬼堂
旅せよと北に行くらしうろこ雲如雨
秋の雨磔刑像の黒びかり柏葉

<合田三鬼堂 選>
秋の花素焼きの鉢の重さかな 智恵子
摩耶蘭を加へて秋の花暦博之
秋湿(あきじめり)コーヒーきれしモーニング朱實( )

<岩渕如雨 選>
坪庭の水明りして秋海棠 博之
露時雨芝草跳ねるドッグラン柏葉
秋の花素焼きの鉢の重さかな智恵子

<平岡智恵子 選>
秋雨や初めて暗し北の窓 如雨
秋の雨磔刑像の黒びかり柏葉
蝉落ちてうすき翳りをつくりけり愛子

<深谷柏葉 選>
蝉落ちてうすき翳りをつくりけり  愛子
秋の雨白き卒塔婆をしみわたる愛子
秋雨やサーファーの影点々と博之

<井田博之 選>
秋雨の大地に浸みる音を聞く 柏葉
旅せよと北に行くらしうろこ雲如雨
秋の雨磔刑像の黒びかり柏葉

<松本愛子 選>
芙蓉咲く一日花の潔さ 智恵子
秋雨や初めて暗し北の窓如雨
秋の花素焼きの鉢の重さかな智恵子



<互選まとめ>
 <高点句>
3点 秋の花素焼きの鉢の重さかな 智恵子
3点 秋の雨磔刑像の黒びかり柏葉
2点 秋雨や初めて暗し北の窓 如雨
2点 蝉落ちてうすき翳りをつくりけり 愛子
2点 旅せよと北に行くらしうろこ雲如雨
  <他の特選句>
1点 風力の発電塔倒す野分かな 三鬼堂
1点 坪庭の水明りして秋海棠 博之
1点 秋雨の大地に浸みる音を聞く 柏葉
1点 芙蓉咲く一日花の潔さ 智恵子
  <他の主な互選句>
1点 秋湿(あきじめり)コーヒーきれしモーニング朱實( )
    ・他の1点句  4句


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)


ご参考:「秋雨」について。下記いずれも主季語は「秋の雨」
角川俳句大歳時記:秋といえば秋晴れの空を思いがちではあるが、雨の多い季節でもある。九・十月頃、小雨が降り続くことが多い。春の雨が華やかさを含んでいるのに対して、この季節の雨はひたすらにものさびしい。秋の雨は万葉集以来用いられてきた季語である。秋雨もまた後鳥羽院の和歌の用例が見える。連歌において一般化していった。山本健吉によれば、秋の雨は秋季の雨の総称、秋雨は梅雨のように降り続く秋霖であるとのこと。しかと区別して用いたい。
 傍題=秋雨、秋黴雨あきついり、秋霖、後の村雨、秋村雨
平凡社版俳句歳時記:秋に降る雨。その特徴は冷え冷えとして。なかなか上がらぬことであろう。家にいても羽織が欲しくなったり、早めに火鉢を出したいと思ったりする。時には二日も三日も降り続き、梅雨が又来たかと思わせたり、小川の水を道にあふれさせたりする。夏の雨のように、来るときは激しく、上がるときも早いのとは、全く反対の雨である。
 傍題=秋小雨、秋雨、秋黴雨(あきついり)
文藝春秋 最新俳句歳時記:春雨と同じく九・十月ごろ夏冬の季節風の交替する、定風のない凪の時期に、所々に小低気圧を生じ、そのため曇りがちで小雨の降るような日が続く。じとじとと梅雨のように降りつづくことが多いので、秋霖とも秋黴雨あきついりとも言う。「八雲御抄」に光忠があきさめなどいへるたぐひはおかしきことなり」と言っているが、秋雨の慣用も久しく、春雨に対して蕭条として冷たい独特の趣もあるのだから、許されてよい。秋の雨は秋季の雨の総称であり、特に秋霖をさすことが多い。
講談社新編俳句歳時記:秋季の雨の総称である。秋は晴天が少なく、曇ったり雨が降ったりすることが多い。秋霖は秋の雨が降りつづく長雨のこと、秋黴雨(あきついり)はそれを梅雨にたとえた語。春雨に対してあきさめは不熟のように聞こえるけれど、慣用されて久しい。
 傍題=秋雨、秋霖、秋黴雨(あきついり)
ホトトギス新歳時記秋雨は蕭条と降る。春の雨、夏の雨とはおのずから違った寂しい趣がある。永く続くと秋霖、秋黴雨(あきついり)となどと呼ばれる。

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鬼城俳画2





第9回句会

2018年6月22日(金)  於 :井田サロン
兼題:①靑葉(靑葉して錠のさびつく御廟かな)1句、②夏季雑詠2句。

<松本愛子 選>
万緑や仁王立ちする大椚(おおくぬぎ) 博之( )
園芸の年季入りたる藁帽子博之
梅雨冷やコーヒーショップの窓開かず柏葉

<並河朱實 選>
玉堂の石庭渉る青葉風 柏葉
青葉風ゆかごにおとす旅衣愛子
無患子(むくろじ)の笛の音しみる青葉風博之( )

<岩渕如雨 選>
園芸の年季入りたる藁帽子 博之
梅雨冷やコーヒーショップの窓開かず柏葉
絵団扇や切られの与三の粋な風朱實

<深谷柏葉 選>
月青葉風呂屋の辺り下駄の音 朱實
鍵抜きてこれより自由夏帽子如雨
青葉風ゆかごにおとす旅衣愛子

<井田博之 選>
鍵抜きてこれより自由夏帽子 如雨
あめんぼう風に向ひて四股を踏む愛子
絵団扇や切られの与三の粋な風朱實



<互選まとめ>
 <高点句>
2点 園芸の年季入りたる藁帽子 博之
2点 鍵抜きてこれより自由夏帽子 如雨
2点 梅雨冷やコーヒーショップの窓開かず柏葉
2点 青葉風ゆかごにおとす旅衣愛子
2点 絵団扇や切られの与三の粋な風朱實
  <他の特選句>
1点 月青葉風呂屋の辺り下駄の音 朱實
1点 万緑や仁王立ちする大椚(おおくぬぎ) 博之( )
1点 玉堂の石庭渉る青葉風 柏葉
    ・他の1点句  2句


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)

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鬼城色紙





第8回句会

2018年4月27日(金)  於 :井田サロン
兼題:①長閑(のどか)(長閑さやてふてふ二つ川を越す)1句、②晩春・初夏雑詠2句。

会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。(次回以降一人ずつ繰り上げます)
印は特選に選ばれた作品です。特選以外は順不同で、順位ではありません。
出句は3句、互選選句も3句です。


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<井田博之 選>
よく調べよく考へよと春の声 智恵子
行く春や叶はぬ夢とみる夢と如雨
川舟に妍を競ひし花衣柏葉

<松本愛子 選>
みはるかす街を浮かべて花の雲 博之
艪の撓ふ矢切の渡し風のどか柏葉
川舟に妍を競ひし花衣柏葉

<並河朱實 選>
南風(みなみ)烏トン・トトとよろめけり 愛子( )
みはるかす街を浮かべて花の雲博之
春は曙古き言の葉長閑けしや如雨

<合田三鬼堂 選>
行く春や叶はぬ夢とみる夢と 如雨
よく調べよく考へよと春の声智恵子
みはるかす街を浮かべて花の雲博之

<岩渕如雨 選>
みはるかす街を浮かべて花の雲 博之
大南風烏トン・トトとよろめけり愛子
江戸語るつつじは戸山箱根山三鬼堂

<平岡智恵子 選>
みはるかす街を浮かべて花の雲 博之
艪の撓ふ矢切の渡し風のどか柏葉
ダンディをしばし味はふビールかな
博之
(「旧白洲邸武相荘にて」の前書あり)

<深谷柏葉 選>
草若葉ささ舟流す二人連れ 愛子
大南風烏トン・トトとよろめけり愛子
ダンディをしばし味はふビールかな博之



<互選まとめ>
 <高点句>
5点 みはるかす街を浮かべて花の雲 ☆☆☆博之
3点 大南風烏トン・トトとよろめけり 愛子
2点 よく調べよく考へよと春の声 智恵子
2点 行く春や叶はぬ夢とみる夢と 如雨
2点 艪の撓ふ矢切の渡し風のどか柏葉
2点 川舟に妍を競ひし花衣柏葉
2点 ダンディをしばし味はふビールかな博之
  <他の特選句>
1点 草若葉ささ舟流す二人連れ 愛子
・他の1点句 ‥‥2句
  <他の主な話題句>
   藤村の(うた)にはなびら長閑かな 朱實( )


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)

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吉日のつゞいてうれし初暦



第7回句会

2018年2月23日(金)  於 :井田サロン
兼題:①霞(榛名山大霞して眞晝かな)1句、②春季動物、③春季雑詠、各1句。

会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。(次回以降一人ずつ繰り上げます)
印は特選に選ばれた作品です。特選以外は順不同で、順位ではありません。
出句は3句、互選選句も3句です。



<平岡智恵子 選>
夕霞鴉ひとこゑおとしゆく 愛子
背鰭見せ鯉群れ騒ぐ春の水博之
採血の指ひんやりと春浅し博之

<井田博之 選>
目覚めたる大地の息吹春霞 如雨
戦背負ふ俳人逝きし雨水かな三鬼堂
過ぎしこと皆美しく鳥雲に蒐火

<遠藤満壽美 選>
崩れきし飛行機雲や鳥帰る  如雨
鳶浮いて連山霞む甲斐の国博之
戦背負ふ俳人逝きし雨水かな三鬼堂

<松本愛子 選>
赤光をなだめて清し春霞 智恵子
戦背負ふ俳人逝きし雨水かな三鬼堂
朝霞つまらぬ街もララランド朱實

<並河朱實 選>
冴返る白き爪痕三日の月 愛子
採血の指ひんやりと春浅し博之
まだ堅き蕾啄む雀の子萬壽美

<合田三鬼堂 選>
目覚めたる大地の息吹春霞 如雨
背鰭見せ鯉群れ騒ぐ春の水博之
採血の指ひんやりと春浅し博之

<福嶋蒐火 選>
成城に雛の画かざる句会かな 三鬼堂
鳶浮いて連山霞む甲斐の国博之
”鉢の木”の伝へ流るる春の川三鬼堂

<岩渕如雨 選>
鳶浮いて連山霞む甲斐の国 博之
水底に緑のひかり水草生ふ柏葉
夕霞鴉ひとこゑおとしゆく愛子

<深谷柏葉 選>
夕霞鴉ひとこゑおとしゆく 愛子
古雛の衣紋のくづれ去年今年愛子
鳶浮いて連山霞む甲斐の国博之



<互選まとめ>
 <高点句>
4点 鳶浮いて連山霞む甲斐の国 博之
3点 夕霞鴉ひとこゑおとしゆく ☆☆愛子
3点 戦背負ふ俳人逝きし雨水かな三鬼堂
3点 採血の指ひんやりと春浅し博之
2点 目覚めたる大地の息吹春霞 ☆☆如雨
2点 背鰭見せ鯉群れ騒ぐ春の水博之
  <他の特選句>
1点 崩れきし飛行機雲や鳥帰る 如雨
1点 成城に雛の画かざる句会かな 三鬼堂
1点 赤光をなだめて清し春霞 智恵子
1点 冴返る白き爪痕三日の月 愛子
  <他の主な互選句>
1点 水底に緑のひかり水草生ふ柏葉
1点 まだ堅き蕾啄む雀の子萬壽美
1点 朝霞つまらぬ街もララランド朱實
1点 過ぎしこと皆美しく鳥雲に蒐火
    ・他の1点句 ‥‥ 2句


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)


ご参考:
霞(春季):春の山野に立ち込める水蒸気、像がぼんやりと潤んで見える。万物の姿がほのぼのと薄れてのどかな春の景色となる。同じ現象を夜は「朧」と呼ぶ。(いずれも春の季語)
  気象学では視程距離が1km未満のものを「霧」といい、その淡いものを「霞」とするが、霞は気象用語では使われない。
霧(秋季):秋、細かな水の粒子が白い煙のように立ち込める現象。同じ現象は秋ばかりではなく起こるが、春のものは「霞」と呼ぶ。遠くのどかににたなびく「霞」に対して「霧」は冷やかに立ちこめる。
「濃霧」は視程が陸上で100m以下、海上で500m以下の霧をいう。
靄(非季語):霧と同様に空気中の水蒸気が凝結して細かい水滴となり浮かんでいて視程が妨げられている状態であるが、霧よりも遠くまで識別できる薄いものを指す。日本式の分類では視程が1km未満のものが霧、1km以上10km未満のものが「靄」としている。
  但し「冬靄/寒靄」は字義のように冬季季語。冬の大気に低く立ちこめる煙のような霧をいう。比較的暖かい日に発生する。視界が1km未満のときは「霧」になる。

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小春日や花より赤きかなめ垣





第6回句会

2017年12月22日(金)  於 :井田サロン
兼題:①今年の私の一句、②新年・冬季句2句。季題は「鬼城句集」から適宜。

会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。(次回以降一人ずつ繰り上げます)
印は特選に選ばれた作品です。特選以外は順不同で、順位ではありません。
出句は3句、互選選句も3句です。


<深谷柏葉 選>
冬ざるる入日けやきを落ちゆけり 愛子
帰花に小蜂群れをる日和かな博之
ばさばさと桑の葉の散る霜の朝博之

<井田博之 選>
読まざりし書に書架溢る文化の日 如雨
病得て哲学の道落葉踏む三鬼堂
御慶申す幣しろじろと宙を打つ愛子

<遠藤満壽美 選>
燗酒に幽かにジャズの流れをり  博之
帰花に小蜂群れをる日和かな博之
汁粉食ふ鏡開きの夫婦みち朱實

<並河朱實 選>
病院の陽だまり妻待つ小春かな 三鬼堂
病持ち心新たにお元日三鬼堂
ばさばさと桑の葉の散る霜の朝博之

<合田三鬼堂 選>
ふる里は手の平の中春の月 萬壽美
試験落つ泣く声包む沈丁花朱實
冬ざるる入日けやきを落ちゆけり愛子

<岩渕如雨 選>
御慶申す幣しろじろと宙を打つ  愛子
晴れ着着て羽子板の子になりきりぬ柏葉
病得て哲学の道落葉踏む三鬼堂

愛子さんは欠席投句で選はありません



<互選まとめ>
 <高点句>
2点 冬ざるる入日けやきを落ちゆけり 愛子
2点 御慶申す幣しろじろと宙を打つ 愛子
2点 帰花に小蜂群れをる日和かな博之
2点 ばさばさと桑の葉の散る霜の朝博之
2点 病得て哲学の道落葉踏む三鬼堂
  <他の特選句>
1点 病院の陽だまり妻待つ小春かな 三鬼堂
1点 読まざりし書に書架溢る文化の日 如雨
1点 燗酒に幽かにジャズの流れをり 博之
1点 ふる里は手の平の中春の月 萬壽美
  <他の主な互選句>
1点 晴れ着着て羽子板の子になりきりぬ柏葉
1点 汁粉食ふ鏡開きの夫婦みち朱實
    ・他の1点句 ‥‥2句


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)

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鬼城俳画6





第5回句会

2017年10月27日(金)  於 :井田サロン
兼題:冬蜂(冬蜂の死にどころなく歩きけり)、冬季雑詠。兼題句1句、計3句出句。

会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。(次回以降一人ずつ繰り上げます)
印は特選に選ばれた作品です。特選以外は順不同で、順位ではありません。
出句は3句、互選選句も3句です。


<井田博之 選>
冬立つや流星群の夜をさがす  如雨
行く先は問はず達者に冬の蜂如雨
冬蜂の隠れどこなき木立かな三鬼堂

<遠藤満壽美 選>
干鮭の美味(うまみ)浮きでるツラ構へ 三鬼堂( )
力あり墓前のお経冬の雨朱實
(あたた)むさらりさらりと砂時計蒐火( )

<松本愛子 選>
死の一つ冬のベランダ黄金虫 三鬼堂
冬蜂の羽音に怒りなかりけり博之
木枯や桶さかさまの北斗星蒐火

<並河朱實 選>
冬蜂の隠れどこなき木立かな 三鬼堂
死の一つ冬のベランダ黄金虫三鬼堂
きんかんの光る青き実冬支度萬壽美

<合田三鬼堂 選>
まどろみし薬師の御手の冬の蜂 蒐火
寺守る白き頭や落葉焚く愛子
蔦紅葉高みに架かる屋敷林博之

<福嶋蒐火 選>
蔦紅葉高みに架かる屋敷林 博之
冬蜂と時を忘れし時計草朱實
干鮭の美味浮きでるツラ構へ三鬼堂

<岩渕如雨 選>
まどろみし薬師の御手の冬の蜂  蒐火
一点に向ひて公孫樹黄葉かな博之
冬蜂の羽音に怒りなかりけり博之



<互選まとめ>
 <高点句>
2点 まどろみし薬師の御手の冬の蜂 ☆☆蒐火
2点 蔦紅葉高みに架かる屋敷林 博之
2点 死の一つ冬のベランダ黄金虫  三鬼堂
2点 冬蜂の隠れどこなき木立かな 三鬼堂
2点 干鮭の美味浮きでるツラ構へ 三鬼堂
2点 冬蜂の羽音に怒りなかりけり博之
  <他の特選句>
1点 冬立つや流星群の夜をさがす 如雨
  <他の主な互選句>
1点 きんかんの光る青き実冬支度萬壽美
1点 寺守る白き頭や落葉焚く愛子
1点 冬の雨墓前のお経力あり朱實
    ・他の1点句  5句


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)

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鬼城俳画3




第4回句会

2017年8月25日(金)  於 :井田サロン
兼題:花火(飄々と西へ吹かるゝ花火かな)秋季雑詠。兼題1句、計3句出句。

会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。(次回以降一人ずつ繰り上げます)
印は特選に選ばれた作品です。特選以外は順不同で、順位ではありません。
出句は3句、互選選句も3句です。


<岩渕如雨 選>
引退馬眼やさしや花野ゆく 智恵子
ひとり居ればけふの安さよ遠花火良虹
森影を浮きあがらせて遠花火博之

<平岡智恵子 選>
補聴器を着くれば近き花火かな 如雨
森影を浮きあがらせて遠花火博之
月の窓ぽつんぽつんと遠花火愛子

<深谷柏葉 選>
ひとり居ればけふの安さよ遠花火 良虹
月の窓ぽつんぽつんと遠花火愛子
雨やむを待つて送り火たきにけり博之

<井田博之 選>
夏だより万年筆を馴染ませて 智恵子
補聴器を着くれば近き花火かな如雨
引退馬眼やさしや花野ゆく智恵子

<緒方良虹 選>
友情は永久(とは)の命と花火上ぐ 三鬼堂( )
森影を浮きあがらせて遠花火博之
夏だより万年筆を馴染ませて智恵子

<松本愛子 選>
まくはうり並べて無人販売所 博之
引退馬眼やさしや花野行く智恵子
盆踊り見ているだけの五十年朱實

<並河朱實 選>
片陰やバス待つ人の固まりて 柏葉
雨やむを待つて送り火たきにけり博之
線香花火なぜさびしなぜ悲し良虹

<合田三鬼堂 選>
手花火の子の顔母に重なりぬ 柏葉
森影を浮きあがらせて遠花火博之
朝顔を咲かせて住める老夫婦良虹



<互選まとめ>
 <高点句>
4点 森影を浮きあがらせて遠花火博之
3点 引退馬眼やさしや花野ゆく 智恵子
2点 ひとり居ればけふの安さよ遠花火 良虹
2点 補聴器を着くれば近き花火かな 如雨
2点 夏だより万年筆を馴染ませて 智恵子
2点 雨やむを待つて送り火たきにけり博之
2点 月の窓ぽつんぽつんと遠花火愛子
  <他の特選句>
1点 片陰やバス待つ人の固まりて 柏葉
1点 手花火の子の顔母に重なりぬ 柏葉
1点 まくはうり並べて無人販売所 博之
1点 友情は永久の命と花火上ぐ 三鬼堂
  <主な互選句>
1点 盆踊り見ているだけの五十年朱實
    ・他の1点句  2句


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)

資 料: 花火の「季節」

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‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


この間、櫻草の「瀬戸・三河バス旅行」の中で地元との交歓句会がありました。

「若竹」との交歓句会

2017年7月17日(月)  於 :愛知県西尾

  第5回鬼城句碑めぐりとして「瀬戸・三河バス旅行」が行われ鬼城由縁の西尾市と瀬戸市を訪れ、地元「若竹」同人と『櫻草』からの参加者と交歓しましました。参加28人。
  こちらに交歓句会の結果を載せました。

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鬼城俳画2




第3回句会 

2017年6月23日(金)  於 :井田サロン
      この回から偶数月第4金曜日の開催に変更になりました。
兼題:暑(念力のゆるめば死ぬる大暑かな)、夏の植物、夏季雑詠、各一句出句


会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。(次回以降一人ずつ繰り上げます)
印は特選に選ばれた作品です。特選以外は順不同で、順位ではありません。
出句は3句、互選選句も3句です。


<合田三鬼堂 選>
厳めしき山も寝そべる大暑かな 如雨
梅雨晴や旅立つ人の背はやさし智恵子
蚊遣香数へて納む子規の庭智恵子

<岩渕如雨 選>
蚊遣香数へて納む子規の庭 智恵子
井田サロン(しるべ)の塔の大暑かな智恵子( )
一面の十薬もまた眺めかな博之

<平岡智恵子 選>
一面の十薬もまた眺めかな 博之
望郷や梅雨無き海に島見ゆる三鬼堂
厳めしき山も寝そべる大暑かな如雨

<井田博之 選>
蚊遣香数へて納む子規の庭 智恵子
水はじき生毛(うぶげ)艶めく梅漬ける愛子( )
忘れたきこといつ迄も百日紅(ひやくじつこう)如雨( )

<遠藤萬壽美 選>
厳めしき山も寝そべる大暑かな 如雨
水はじき生毛艶めく梅漬ける愛子
知床を覆ふ夏霧墓参かな三鬼堂

<松本愛子 選>
梅雨晴や梨園のブログ終りけり 三鬼堂
厳めしき山も寝そべる大暑かな如雨
一面の十薬もまた眺めかな博之

<並河朱實 選>
在るものを無いとは言へぬ大暑かな 柏葉
望郷や梅雨無き海に島見ゆる三鬼堂
梅雨晴や梨園のブログ終りけり三鬼堂

柏葉さんは欠席投句で選はありません



<互選まとめ>
 <高点句>
4点 厳めしき山も寝そべる大暑かな ☆☆如雨
3点 蚊遣香数へて納む子規の庭 ☆☆智恵子
3点 一面の十薬もまた眺めかな 博之
2点 梅雨晴や梨園のブログ終りけり 三鬼堂
2点 望郷や梅雨無き海に島見ゆる三鬼堂
2点 水はじき生毛艶めく梅漬ける愛子
  <他の特選句>
1点 在るものを無いとは言へぬ大暑かな 柏葉
    ・他の1点句  4句 
  <他の主な話題句>
   はたた神家をゆすりて駆け行けり萬壽美
   犬老いてとほき夏野に隠れけり朱實


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)

資 料:  私の好きな鬼城の句

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鬼城色紙


第2回句会

2017年4月20日(木)  於 :井田サロン
兼題:櫻(ゆさゆさと大枝ゆるゝ櫻かな)、春の動植物、春季雑詠、各1句。

会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。(次回以降一人ずつ繰り上げます)
印は特選に選ばれた作品です。特選以外は順不同で、順位ではありません。
出句は3句、互選選句も3句です。


<並河朱實 選>
すみれ野に友に似たるや石地蔵 萬壽美
白椿無垢なるままに落つ哀れ柏葉
花散るや花は散る散る花七日三鬼堂

<合田三鬼堂 選>
すれ違ふ二つの渦や花筏 博之
四月尽役目果たせし祈願絵馬如雨
ふる桜おどる翁の喉ぼとけ愛子

<福嶋蒐火 選>
すれ違ふ二つの渦や花筏 博之
苔むせる水車の軋み春惜しむ柏葉
春の宵ゴールデン街灯を灯す三鬼堂

<岩渕如雨 選>
ふる桜おどる翁の喉ぼとけ 愛子
なにやかや心忙しき四月かな博之
八重桜濃淡ありぬ鳥も来よ智恵子

<平岡智恵子 選>
黴の香や江戸の古地図の座敷牢 蒐火
名無し貝生命伝える磯の春愛子
又恋の叶はぬ猫の向う疵愛子

<深谷柏葉 選>
黴の香や江戸の古地図の座敷牢 蒐火
お花見やかくれんぼうの小さき足萬壽美
八重桜濃淡ありぬ鳥も来よ智恵子

<井田博之 選>
又恋の叶はぬ猫の向う疵 愛子
お花見やかくれんぼうの小さき足萬壽美
山の辺の霞となりし遠ざくら柏葉

<遠藤萬壽美 選>
川面ゆく桜花びら帯模様 朱實
名無し貝生命伝える磯の春愛子
白椿無垢なるままに落つ哀れ柏葉

<松本愛子 選>
花散るや花は散る散る花七日 三鬼堂
黴の香や江戸の古地図の座敷牢蒐火
小田急の成城婦人単衣帯蒐火



<互選まとめ>
 <高点句>
3点 黴の香や江戸の古地図の座敷牢 ☆☆蒐火
2点 すれ違ふ二つの渦や花筏 ☆☆ 博之
2点 花散るや花は散る散る花七日 三鬼堂
2点 又恋の叶はぬ猫の向う疵 愛子
2点 ふる桜おどる翁の喉ぼとけ 愛子
2点 お花見やかくれんぼうの小さき足萬壽美
2点 名無し貝生命伝える磯の春愛子
2点 白椿無垢なるままに落つ哀れ柏葉
2点 八重桜濃淡ありぬ鳥も来よ智恵子
  <他の特選句>
1点 川面には桜花びら帯模様 朱實
1点 すみれ野に友に似たるや石地蔵 萬壽美
  <主な互選句>
1点 四月尽役目果たせし祈願絵馬如雨
    ・他の1点句 5句


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)


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鬼城俳画5


第1回句会

2017年2月16日(木)  於 :井田サロン
兼題:元日(縁側の日にゑひにけりお元日)、初・始、新年雑詠

会員の互選の結果です。選者の配列は俳号の50音順です。(次回以降一人ずつ繰り上げます)
印は特選に選ばれた作品です。特選以外は順不同で、順位ではありません。
出句は3句、互選選句も3句です。


<松本愛子 選>
元日や去年残せしそばを食ふ  朱實
貝合せ酔うた振りして寄する肩蒐火
喜寿詣先頭車輌初霞如雨

<並河朱實 選>
元日や鬼城の俳句しみじみと 智恵子
ベランダに並んでとまる初雀三鬼堂
珈琲の似合はぬ日なりお元日博之

<合田三鬼堂選>
珈琲の似合はぬ日なりお元日 博之
先々のこと書込みぬ初暦博之
端つこの孫の名を訊くお元日如雨

<福嶋蒐火 選>
手術痕愛ほしくありお元日 三鬼堂
初笑ひエレキ仕立ての神楽獅子愛子
年神の別れに熱き七日粥如雨

<岩渕如雨 選>
蓬莱の内なる吉書餅の花 蒐火
七草や大げさな湯気たつ古き家朱實
正座てふ厳めしきものお元日游悦

<坂口青郎 選>
端つこの孫の名を訊くお元日 如雨
珈琲の似合はぬ日なりお元日博之
手術痕愛ほしくありお元日三鬼堂

<平岡智恵子選>
珈琲の似合はぬ日なりお元日 博之
初泳ぎそっと手を抜き水なだむ愛子
手術痕愛ほしくありお元日三鬼堂

<深谷柏葉 選>
珈琲の似合はぬ日なりお元日 博之
貝合せ酔うた振りして寄する肩蒐火
言葉なく一筆箋の手鞠かな智恵子

<井田博之 選>
端つこの孫の名を訊くお元日 如雨
亀鳴くやこの道奥は行き止まり青郎
お元日家の奥まで日のさして愛子

<奥山游悦 選>
初笑ひエレキ仕立ての神楽獅子 愛子
芽出たきを笑ひに託す年始柏葉
喜寿詣先頭車輌初霞如雨



<互選まとめ>
 <高点句>
5点 珈琲の似合はぬ日なりお元日 ☆☆☆博之
3点 端つこの孫の名を訊くお元日 ☆☆如雨
3点 手術痕愛ほしくありお元日   三鬼堂
2点 初笑ひエレキ仕立ての神楽獅子 愛子
2点 貝合せ酔うた振りして寄する肩蒐火
2点 喜寿詣先頭車輌初霞如雨
  <他の特選句>
1点 元日や去年残せしそばを食ふ  朱實
1点 蓬莱の内なる吉書餅の花 蒐火
1点 元日や鬼城の俳句しみじみと 智恵子
  <主な互選句>
1点 亀鳴くやこの道奥は行き止まり青郎
1点 芽出たさを笑ひに託す年始柏葉
1点 正座てふ厳めしきものお元日游悦
    ・他の1点句 ‥‥7句


印は互選で特選に選ばれたものです。(☆☆、☆☆☆は多重特選)


資 料:  鬼城略年譜、   鬼城元日句

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村上鬼城系『櫻草』傘下の当会の句会は、有季定型 文語 歴史的仮名遣い を原則にしています


          

<  会      員  >

井田 博之(ひろし) 岩渕 如雨(じょう)
遠藤萬壽美(ますみ)緒方 良虹(りょうこ)
奥山 游悦(ゆうえつ)合田三鬼堂(さんきどう)
木 暮  進(すすむ) 並河 朱實(あけみ)
平岡智恵子(ちえこ) 深谷 柏葉(はくよう)
福嶋 蒐火(しゅうほ) 松本 愛子(あいこ)



坂口青郎 (せいろう)
  19年7月逝去されました


(50音順


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2017.2.20開始